ノートパソコンを中古で売る時に僕がやっている事
この記事は 2018年5月19日 時点での内容であり現在は状況が異なる場合があります。
パソコンを中古で売る時、我々が心配する問題の一つは「個人情報の流出」でしょう。では、それを完璧に防ぐ事はできるのでしょうか?
無理です。
もくじ
どんなリスクがあるか
パソコンはいくつかの部品で構成されています。その中でも、主にハードディスク(HDD:HardDiskDrive)というデータを保存する装置からデータが漏洩する可能性があります。また、Windowsにそのまま残ってしまっているデータが原因というケースもあります。
HDDに残っているデータ
HDDでは、いくらデータを削除したり、パソコンを出荷時の状態に戻したとしても、データが完全に消えることはほぼ無いと言われています。
そして、そういった「残りカスデータ」は、場合によっては簡単に復元することも可能であるとも言われています。
しかし、「残りカスデータ」を限りなくゼロに近づけることも可能です。
その方法は、HDD自体をブチ壊す・別のものに交換する方法が一つ。
もう一つは、HDDにくまなくぐちゃぐちゃなデータを書き込み、全ての残りカスデータをぐちゃぐちゃにしてしまうような方法です。
これはNSA(アメリカ国家安全保障局)方式のHDDデータ削除、などと呼ばれています。
Windowsによって保持されるデータ
Windows標準の方法で初期化をしても、場合によってはシステムファイルへの変更などがそのまま引き継がれてしまうケースがあるようです。実際に私はWindows10において初期化をした際、変更されたシステムファイルがそのままになっていた事を確認しました。(非正規の方法で変更したログオン画面の背景がそのままになっていました)
また、初期化する前のWindowsのデータが初期化後のWindowsにバックアップで残されていたりするケースもあるようです。
少なくともWindows10では、ライセンスはそのままに再びクリーンインストールする機能があるようで、こういった問題はそれで解決すると思われます。
その他
可能性は低いでしょうが、これ以外にもあるかもしれません。例えばSDカードの挿しっぱなしとか。
パソコンを売る前に
このように、昨今の情報化社会の世の中では、一度パソコン上やオンラインでやったことは、大概全て溶鉱炉にブチ込まない限り消えません。
ですが、先述しましたが、これらの情報漏えいをできる限り防ぐことは出来ます。そのために私がやっている事を紹介しましょう。
しかし、あくまで私がやっているというだけのことですので、念の為。
※所詮私は「ちょっとパソコンが好きな人」程度の人間です。よく調べて自己責任で行いましょう。むしろ間違いや改善点があれば記事下部からツイッターへ飛んで私に教えていただきたいです。
方法A.最も安全
まず、パソコンをどうしたいかによってやるべき内容が異なってきます。
とにかく古いパソコンをどうにか処分したいだけなら、最も安全なのは、ノートパソコンのHDDを取り払ってジャンク品として買い取ってもらうことです。
コレが最も安全。
しかし、この方法は大概高く売りたい場合には役に立ちません。多くの中古買取ショップでも100円かタダ。
方法B.次に安全
HDDが交換可能かつ搭載OSがWindows10である、もしくはメーカー製のリカバリディスクがあるなどの、クリーンインストールが可能な場合に行っている方法です。
- ハードディスクを、新しい物と交換する
- OSをクリーンインストールする
(Windows10の場合はクリーンインストールでも正規の方法でやればライセンス認証は勝手にやってくれるので不要なハズです。詳しくはMicrosoft公式などを参照下さい)
これはかなり安全でしょう。
残りカスデータのないHDDを用いて、完全にフレッシュにOSを復元しています。
HDDは新しいものではなくても、漏洩したら困るデータを入れたことの無いHDDや、適当に買ってきた中古のHDDなどでもいいかもしれません。
方法C.その次に安全
クリーンインストールに対応していないOSではこれが有効かもしれません。Windows7などではDELLサポートの記事などが参考になるでしょう。
- Windowsを初期化する。
- システム修復ディスクの作成と、初期化直後のフレッシュなWindowsのシステムイメージバックアップを作る。(初期化完了後一番最初にやる)
※無料のシステムイメージバックアップソフトなどでも有効かもしれません。 - 別のHDDに交換する
- システム修復をする手順で先ほどのシステムイメージバックアップからWindowsをインストールし直す。
- インストール完了後もう一度初期化する
この方法では、一度Windowsを初期化して、フレッシュなWindowsのデータだけを取り出し、それだけを安全なHDDに書き込んでいます。
しかし、先程述べたように、いくらOSを初期化しても、それはクリーンインストールではありません。
場合によってはWindowsファイルへの変更点が引き継がれたり、古いWindowsのデータがアクセス可能な形でバックアップされてしまうケースもあるようです。
実際に私が行った際、Windows10の標準のリセット機能では、Windowsへの変更がそのまま引き継がれてしまいました。結局クリーンインストールをし直しました。
HDDが交換できないなどの場合
新しいHDDが
調達出来ない場合
中古HDDを入れ替えても赤字となってしまうようなケースなら、HDDをフォーマットする無料ソフトウェアを用いて今のHDDをフォーマットしましょう。
HDDのフォーマットをするには、いくつか方法があります。こちらで詳しく解説されています。最もポピュラーといえるのが、アメリカの国家安全保障局と同じ手順を踏むものです。
私はいつも、別のPCにHDDを接続して、ディスク消去ユーティリティーというソフトを用いてフォーマットしています。
こうして、今のHDDを「比較的安全なHDD」に変えて、新しく用います。
方法Bでは、この作業を「1.」の代わりに行います。方法Cでは「3.」の代わりに行います。
HDDを取り出せない &
HDDが接続可能なPCが無い場合
そのような場合は、CDやDVDに書き込んで、直接ブートできるHDD削除ツールを使い、今あるHDDをなるべく安全な方法でフォーマットしてしまいます。
先ほど紹介した記事にも載っています、DBANと呼ばれるソフトを用いるなどして、パソコンに入っているHDDを安全にフォーマットしてしまいましょう。
同様に、方法Bでは、この作業を「1.」の代わりに行います。方法Cでは「3.」の代わりに行います。
リスクは無限だ
結局、情報漏洩なんてもののリスクは無限にあります。どれほど強力に削除しても、強力な復元ツールなどを使えばいくらでも復元可能というケースもザラです。
だから、政治家とギャングのボスは、「他人にバレたらヤバいデータ」はドリルで穴を開けたり物理的にグシャグシャに潰すなどの「物理的にぶっ壊す」という方法を一番信用します。物理的にぶっ壊せば、復元ツールで読み込むなんて事はもう無理ですからね。
結局怖いなら、目先の中古査定価格の数千円のためにHDDを他人の手に渡すような愚かなマネはしないことです。
精密ドライバーでバラしてドリルで穴でも開けて燃えないゴミにでも出しましょう。
技術的には素人でも、情報の取扱の心構えにおいては玄人であってください。