図解!自動車の電装系DIYで最低限習得しておきたい知識と配線加工!
この記事は 2020年4月23日 時点での内容であり現在は状況が異なる場合があります。
この記事では、今まで、比較的簡単な部類の電装系DIYをしてきた僕が、電装系部品の取り付けやDIYに必要だと思う、電工ペンチの使い方や配線加工のやり方などを紹介します。
(経験と言っても、ウーファー取り付けや基本的な配線加工、ナビ交換、アンダーネオン取り付けくらいしかありませんが…)
これから簡単な部品の取り付けを行おうと考えている人の力になればと思います。
※それなりに基本の話をしています。また、無責任で申し訳ありませんが、この記事を参考になにか作業を行われる場合はご自身の責任のもとでお願いします。
まずは、自動車の電装系の加工に使われる端子や工具のうち、メジャーなものの紹介をしてから、それらの端子を加工して配線する方法を紹介しましょう。
もくじ
はじめに前提知識を知っておいて!
電装系のDIYの基本やノウハウをまとめた、初級の初級の記事を読んでおくと、この記事の理解がより深まります!
いろいろな配線の結線方法と注意
正直、金属と金属がちゃんと接触していれば電気は流れるので、ケーブルとケーブルの金属部分同士を接触させて固定できればいいわけです。
ですが、それだと走行中に取れたりしそうだし、普通にろくなことがありません。
ですから、もっと信頼性の高い端子の仕様や結線をします。
今から申し上げる結線方法を知っていれば、基本的には困ることはありません!
ギボシ端子・平型端子
ギボシ端子と平型端子は、いつでも抜き差しできるメンテナンス性の高い端子です。
そのため、特にギボシ端子はかなりの頻度で使われます。例えば、社外ナビとハーネスの接続のときなんかは20個くらいギボシをつなげますね。つなげるだけなら楽ですが、作成するのもすぐできます。
平型端子はスピーカーなどによく使われますね。見たことがある方は多いのではないでしょうか。
ギボシや平型の端子を作成するときの注意。だいたい透明な樹脂の被覆が付属するのですが、先に配線に被覆を通してから配線するようにしてくださいね!
被覆をしないと、金属部分が露出します。もし、プラスの電気が来ているギボシがボディに触れたりしたらヒューズ飛びます。
また、ギボシや平型を配線に用いるときは、電装品を取り外した状態で走行してもショートしないように、車体側をメス端子(ギボシで覆われている方)にしましょう。オス端子では金属部が露出しているため、ボディやアースに触れてしまうとショートする危険があります。
スプライス端子・はんだ付け
スプライス端子を使って結線すれば、2つのケーブルを恒久的に接続することができます。
こちらも、金属部が露出すると非常に都合が悪いです。ですから、熱で収縮する熱収縮チューブを先に通しておいて、結線したらチューブで被覆して絶縁することが大切です。
はんだ付けは、スプライス端子で配線をかしめるのではなく、配線にハンダを垂らして結線する、というだけの違いです。はんだごてが必要になるし作業も面倒ですが、プロっぽいっちゃプロっぽい。
エレクトロタップ
僕は個人的に嫌いなんですが、エレクトロタップというものもあります。細い金属板がプラスチックに埋め込んである端子です。
ペンチでプラスチックをはさみこむと、ケーブルが金属板にめりこんで、被覆が破れて結線されるという仕組みです。
かさばるし、配線を傷つけるし、取り外すのも一苦労なのでやはりあまり好きじゃないなあ。ケーブルの太さに合わせて適切なエレクトロタップを選ばないと、断線したりしちゃうので注意です。
クワ型端子
クワ型端子は、おもにボディアースのボルトに電装品のアース線を接続するために用いられます。配線をかしめるだけで簡単に使えます。
プラス端子はボディに触れるとショートしてしまいますが、マイナス端子ならばボディ全体がもうマイナス端子のようなものなので、あまり気を使っている人も少なかったりします。
注意としては、まあちゃんと被覆を通してからかしめるようにしましょう、くらいですかね。
ケーブル
メチャクチャ基本ですが、自動車の配線を加工・作成するときはケーブルを伝って電気が流れます。
ケーブルは基本的に電気が流れるだけなので何も気にしなくていいのですが、しかし重要なポイントがあります。「色」と「太さ」です。
色について。だいたい、バッ直常時電源が黄色、ACCやIG連動の電源が赤、アースは黒、という大まかなルールというか風潮みたなものがあります。
※あとはカーナビやスピーカーなどに色んな色が使われていますが、それはもう何色が何の線かはメーカーや作った人次第ですので説明書を読んでください。
太さですが、ケーブルの太さを表すのによく使われる単位としてsq(スケア、SQ)があります。スクエア、といえばわかりますかね、この数値はケーブルの直径(mm)です。直径1mmなら1.0sq、というわけです。
このスケア数はケーブルの金属部分の太さであって、ケーブル自体の太さではありませんからね。ケーブルの被覆の厚さはメーカー次第なので、見た目で判断しないように。
ケーブルは太さごとに定格電流が決まっています。例えば、エーモンの0.2sqのケーブルでは定格が12V30W(つまり2.5A)ですね。
とにかく注意と基本
どの端子にも、「対応するケーブルの太さ」「定格電力」「絶縁や被覆の状態」を確認するという大事な注意があります。最後ですみません。
電力ですが、たいてい車の電圧は12Vですので、たとえば3Aの電流が流れるドラレコの消費電力は12V×3A=36Wの消費電力ということになりますね。
これさえあれば大丈夫「電工ペンチ」
さて、基本的な端子とケーブルについて知ったところで、最強の工具「電工ペンチ」についても知っておきましょう。
今まで紹介した端子結線やケーブル加工は、全て電工ペンチがあれば簡単にできるのです。電工ペンチがあるかないかで、あなたのクルマいじりが180度変わります。これマジで。普通のペンチでエレクトロタップはさみこんでる場合じゃないよ!時代はギボシだよ!!!
この記事では特に、ケーブルの被覆の剥き方と電工ペンチでのかしめ方だけ紹介します。超簡単なんです本当に。
電工ペンチで「被覆を剥く」
電工ペンチでの被覆の向き方はめちゃくちゃ簡単です。めちゃくちゃ簡単。
電工ペンチは被覆をむく用の、逃げがあるカット用部分がいくつかあります。被覆をむくときは、なるべく正しいスケアの逃げ穴を利用しましょう。
太い線を細い逃げ穴で切っちゃったりすると、芯線を切断してしまい、定格電流に影響が出たりします。(まあぶっちゃけあんま気にしてないけど)
電工ペンチで「かしめる」
ギボシもスプライス端子もクワ型端子も平型端子も、すべて電工ペンチを使ってかしめることで結線できます。どれも同じなので、ギボシ端子のオスで図解しますね。
かしめ用のスロットはケーブルのスケア数でいくつか別れていますが、まあそれは参考程度で大丈夫。だいたい端子の大きさに合いそうなスロットにはめて挟み込むだけです。強く握りましょう。
特に、ギボシやクワ型や平型はどれもかしめる部分が2つあります。どれも、1つめで芯線を抑え込み、2つめをケーブルの被覆に食い込ませて抜け防止をします。(でないとギボシを抜こうとしたらケーブルだけ抜けるという悲劇が起こります。)
電工ペンチはメーカーや種類によって形が異なりますが、一般的なヤツを採用しています。
スプライス端子は、そもそも抜き差しする端子ではないです。また、先程の図にもありますが、芯線を長めに露出させて、ねじって折り曲げてからかしめるので抜けづらいです。
準備万端!
先程紹介した記事(下記のやつ)とこちらの記事を読んで理解すれば、もうなんでも取り付けできます!ショートと感電と火災に気をつけて、クルマいじりを楽しんでください!