スマートフォンを「AndroidとiPhone」という切り口から比較するのはあまり意味がない

この記事は 2018年10月18日 時点での内容であり現在は状況が異なる場合があります。

飲み屋でしちゃいけない話として、「野球と政治と宗教とスマホのOS」というのは有名な話です。

さて、「AndroidとiPhone」という比較の切り口はもはや無意味なものになっている、という話を聞いて、「何をいまさら」と思う人も多いかもしれません。

しかし、依然としてAndroidの方が、iPhoneの方が、良い、悪い!という議論、というより口喧嘩を見かけるので、私の考えも書いておこうと思います。

あくまで私の一意見であります。恐縮です。

 

photo credit: TheBetterDay Galaxy Note8 via photopin (license)

意味のない比較

まずそもそもAndroidとはスマートフォンなどに搭載されているOSや、そのベースとなっているOSのことを指します。つまり、ソフトウェアの一つです。

それに対して、iPhoneというのは、Apple社の発売しているスマートフォンの一連のシリーズのことを指します。

もはやこの二つを比較するのは全く意味がないということがすでに分かるでしょう。

「ピザよりドクターペッパーのほうが良い!」のような、比較というよりは主観的な主義・信条のレベルです。

なので、この比べようも答えもない議論は、あんまり親しくない同僚と一緒にいて話題に困ったときには使えますが、顔を真赤にして議論するには完全に不適切でしょう。

 

そもそも、比較とは正義の審判じゃない

まず、何事においても基本的には、どちらのほうが「良い」「悪い」なんていうわかりやすい話はありません。

あるのは、「俺はこっちのほうが好き」「俺はこっちは嫌い」くらいです。

だから、どちらのほうが「良くて」、どちらのほうが「正しい」なんていう議論には、同様に答えがないということも理解しておいてください。

 

意味のある比較?

では、意味のある比較とはなんなのでしょうか?

自分にあった、自分が「好き」なスマートフォンは何かを見つけるための比較とは何なのでしょうか。

まず、スマートフォンにはおおざっぱに分けて3つの比較要素があると私は考えます。

 

デザイン

これは完全に人の好みであり、良し悪しなど存在しないという話が一番わかりやすく納得できる分野だと思います。

つやつやした外観は嫌いだとか、アルミ削り出しボディが好きだとか、はたまたデザインには興味が無いのでどうでもいい、とか。

 

ソフト

スマホのOSなんて、メジャーどころでもせいぜい「Android」「iOS」と、Windows系やBlackberry系くらいだろうと思うかもしれません。

たしかに、iOSは、iPhoneのモデルが違えど基本的にApple社によって操作感からバージョンまで統一されており、複雑さはありません。

しかし、Androidはもはやすでに「Android」と一括りにできるものでは全くありません。

Androidベースのスマホを作る各社は、自社端末に搭載するOSを多かれ少なかれカスタマイズしています。見た目や操作性、標準アプリなどがもはや全く別物です。

だから、「Android」というより「Androidベースの異なるOSたち」と考えたほうがより視界がひらけるでしょう。

 

ハード

ハードウェアというのは非常に多くの項目があります。画面の画素数やカメラの画素数、画面の大きさ、スピーカーの位置からボタンの位置、CPUのスコア、メモリの大きさ。

数値で示される項目もありますので、ある程度わかりやすい指標にはなります。

 

これらを総合して初めて比較する

これらを総合した「使い心地」を、あなたの需要と併せて比較することで、初めて有意義な比較ができるでしょう。

先程の3つの要素は、単体で比較してもあまり意味がありません。

CPUのスコアが高いからXperiaのこのモデルのほうがOppoのこのモデルより好き、なんて言えません。まあそういう人もいるかも知れませんが、一般的には。

これらを総合した「スマホの使い心地」とあなたの「需要」を考慮して比較しましょう。

 

たとえば、カメラ

たとえば、きれいな写真が取れるスマホがほしいとします。

写真の綺麗さは、画素数の大きさとはもはやほとんど無関係です。

たとえ16万画素のカメラを搭載していようと、カメラアプリやズームやピントの性能が悪くて、汚いゴミしか撮れないケースなんてザラにあります。

また、「綺麗」とはどんな「綺麗」かも重要です。

Xperia Z3は画質や動画性能、夜間撮影なども文句なしに優れていて、非常にシンプルな高性能であり、カメラたるカメラと言えるでしょう。

HUAWEI P20 Proは、カメラ自体もライカのものを搭載し、複数のカメラで色彩や濃度を効率よく取得し、さらにAIで最適な撮影モードを選択する、テクノロジーに物を言わせるカメラです。

iPhone Xは、広角や望遠のレンズを備えており、ポートレート風加工やスローモーションなどの機能が魅力的なエンターテインメント性に優れたカメラです。

これらの「使い心地」は、店頭で一度使ってみないとわかりません。あなたが本当にほしい「綺麗な」写真が取れるカメラはどのカメラでしょうか?

 

 

そろそろ

AndroidとiPhoneという対立で語られるようになってからずっと、比較できるもんじゃないし対立してるものでもないと思っていました。

しかし、AndroidもiPhoneも含めて、モデルや種類が多様化した今、よりいっそうそれが顕著だと思いましたので文章に書きました。

さて、だから、「Xperiaのほうが画面も写真も綺麗だし、Galaxyならスタイラスペンがついてるし、最初にノッチを装備したのはEssential Phoneだから、AndroidのほうがiPhoneより優れている!」みたいな話は、そろそろやめませんか?

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